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help リーダーに追加 RSS 嶽本野ばら 「ミシン」

<<   作成日時 : 2007/12/24 13:40   >>

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文庫化されました。
乙女たちのバイブル、嶽本野ばらさんの「ミシン」です。
自称、乙女といたしましては、これを読まずに今まで人生を送っていたことが、どこか、罪悪感といいますか、「やることやんないで、偉そうにしてんじゃねーよ」的な自己反省を感じておりました。

ご存知「下妻物語」や「エミリー」などの有名作品を世に送り出した作者の処女小説集。
やっと手に取ることができました。
ちょっと早いクリスマスプレゼント。。。。。
あっ!
今日、クリスマス・イブじゃん!
昼間から何でブログ更新してるのだ?
そしてこの後からお仕事だし。
う〜ん、いいクリスマスだなぁ。

「世界の終わりという名の雑貨屋」と表題作の「ミシン」の2作品が収められています。
嶽本さんの作品といえば、実存するお洋服のブランドが作品中に出てくるのが特徴なのですが、「世界の終わりという名の雑貨屋」ではビビアン・ウエストウッドが、「ミシン」ではMILKが主立って登場します。
どちらも、私が高校生の頃、とても流行して、みんな競って買いたがったブランドです。
もちろん今でも人気があります。

作品中の登場人物は、このブランドのお洋服に出会った瞬間、雷に撃たれたような啓示を受け、全身をこれらのブランドのお洋服で着飾っています。
ビビアン・ウエストウッドも、MILKもブランドとしてのコンセプトがとてもはっきりしていて、正直言って、ちょっと「浮世離れ」したデザインのものが多い。
それらのアイテムで全身を包めば、街ゆく人たちはみんな振り返って見るでしょう。そんなお洋服です。
それでも登場人物たちは、誰になんていわれようとも、そのお洋服を着て、町を闊歩します。だって、これが、私の流儀、私の制服、私の皮膚なんだもの。これを着ていないと呼吸ができない。
だから、中途半端に流行だっていうだけで、それらのブランドを身に着けている人を見ると、「ダサ」っていうか「ウザ」、「恥ずかしくないのかしら」と思ってしまう。
白状します。
私はその、「恥ずかしい人」でした。
高校、大学にあがるくらいまで、周りの友人たちの間で流行したこの2つのブランド。雑誌でも多くとりあげられ、私の中では、「今は、コレを着ていればおしゃれさんと思われるのか」くらいに思っていました。高いしね。
ビビアンを着ていればおしゃれ、MILKを着ていれば自慢。
だから、わざわざ地元から原宿までよく出かけていったものです。買えないくせに。
だから、嶽本野ばらさんの作品を読んで、「ビビアンってこういう歴史があって、こういうコンセプトなのか」とか「MILKって、本来はこうやって着るものなのか」とか知りました。
知って、そしてさらに好きになりました。
でも、その頃にはもう、別のブランドの服を買っていたし、趣味も変わっていたので、買いませんでしたけどね。と言いますか、「私のような中途半端な者が着てはいけないわ」と慎むことが出来るようになりました。
「つつしみ」
これはとても大切な乙女のルールです。

嶽本野ばらさんの作品は、コンナ風にお洋服のブランドを取り上げたり、ロリータという世界観を語っているから、だから人気があるのかといえば、私は違う気がします。
嶽本さんの作品って、とてもスタンダードだと思うのです。
確かに、ブランドのことやロリータ文化に目がいきがちだけど、その最も云わんとしていることは「愛」だとか「死」だとか「孤独」だとか、「ブンガク」という世界の中で、昔から語られてきた、とてもスタンダードなものなのです。
大ヒットした「セカチュー」も、最初は実はちょっと小ばかにしてたんですが、読んでみれば、売れたのがわかりました。とてもスタンダードだったからです。
どんなに時代が変わっても、スタンダードなものがいい。いや、いいからこそスタンダードなんだもの。
嶽本野ばらさんってとてもスタンダードなものが好きな人だと私は思います。
だから、作品を読むとビビアン・ウエストウッドもMILKも実はとてもスタンダードなものに見えてきます。スタンダードを極めたもの・・・と言いますか。

最近よくお邪魔する仕事の現場に、ビビアン大好きなオンナノコがいて、全身とは言わないけれど、相当な割合でビビアンを着ています。
聞けば、やはり彼女も嶽本野ばらさんが好きだそうです。
でもやはり彼女は時々「浮く」。
彼女の着る、フリルのついたシャツや、オーヴの形のピアスに、難色を示す年配の女性は確かにいます。仕事に支障はないのだから、私はOKだと思うのだけれど。(彼女はオシャレなので、仕事をするときにはなるべく地味目なものをセレクトしてくるのです。そして出勤と退勤のときに着替える)
でも、時々、「そのコートすてきね。どこで買ったの?」とウエストがシェイプされたシルエットのきれいな彼女のコートを褒めるオバチャンもいます。
もちろん嶽本野ばらさんを読んだこともないオバチャンなのだけど、そういうオバチャンには私はこっそり「乙女」の称号を与えることにしています。

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