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これまで、いろいろな作家さんの作品に触れてきましたが、そのつど、私は「○○さん」とお名前を呼んでまいりました。 ある意味、失礼? 「○○センセイ」とお呼びすべき? でも、それもワザとらしくて、あんまり好きじゃないのです。 ただ、何人かの作家さんについては、心の中で、愛称で呼んでいる方々がいます。 山田詠美さんなんてその筆頭です。 本屋さんで新刊本を見ると、 「あ、AMYの本出てるや・・・」なんてつぶやいてみたりして。 友達か。 町田康さんも、実はそんな作家さんの一人です。 私は彼のことを、心の中でマチダくんと呼んでいます。 熱心な町田さんファンから罵倒されそうですが。。。 。。。にしても、なぜ、私は彼のことを「マチダくん」なんて呼べるのでしょうか。 というのも、おそらく、この「耳そぎ饅頭」というエッセーのせいなのだと思います。 パンク歌手にして俳優、さらに芥川賞作家という、華々しい経歴をお持ちの町田康さんのこのエッセー。 パンク歌手として、CDを何枚も出しているのだけれど、これが売れない。売れないのは、自分が偏屈だからなのではないか・・・・子供の頃から、偏屈にだけはなりたくなかったのに。よし、では自分は偏屈を治してやろう。いままで毛嫌いしていた様々なことにチャレンジし、偏屈を治し、CDをたくさん売ろう。 その様々なチャレンジが書かれているのがこの「耳そぎ饅頭」なのです。 世の中にはいろんな人がいますが、マチダくんは「ワザと他人に自分を見下させる」のがウマイなぁと思います。 誰もが舌を巻くこの才能をもってして、書いているのは「とほほ」な自分。 CDが売れないとか、カラオケにはじめて行ったとか、ネクタイがいやだとか、ラッコを見ようと思ったら混んでて見れなかったとか・・・ 「そんなバカな」と思ってしまうほど、「とほほ」な日々が書かれています。 私はまんまとそれに騙されてしまったのでした。 「はは。馬鹿だなぁ、マチダくん」なんて思ってしまう・・・。 それこそ、彼の思う壺なのに。 でも、それが楽しいし、うれしいのです。 それに、マチダくんは「とほほ」なんてダサい言葉を使いません。 うくく うるる えーあ ららら するるるる ばばば マチダくんの使う言葉にのせられて、どんどん先を読みたくなってしまいました。そして、読みおわった時、別の作品を読みたくなってしまいました。 ホントに彼の思う壺。 そのうえ「CDも買っちゃおうかな」なんて。実は顔もタイプ(笑) そんなわけで、私がマチダくんを「マチダくん」と呼ぶのを許してはもらえぬかなぁと思うのです。 そして「相変わらず偏屈だなぁ」なんてクスクス笑いながら、またもやマチダくんの新刊本を購入してしまうのでした。 耳そぎ饅頭 (講談社文庫)
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