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旅先で、なんとなく勘が働いて入った食べ物屋さんが、安くて美味しくて雰囲気がよかったりしたら、ものすごく嬉しくないですか? わかつきめぐみさんって、私にとってはそれと似たような感じで、たまたま買ったら大当たりだった!というような存在です。 すでに有名で人気もある漫画家さんだったのですが、無知な私は、当時何も知らずにこの本を買いました。理由は「ちょっと暇だから」とか「なんとなく」とか、そんなところだったと思います。 主人公の阿梨は県外の進学校へ通う、ちょっとのんびりとした性格の女の子。 ある日、たった一人の身寄りの祖父(科学者)の「危篤」の知らせを受け、急いで帰ると、そこには見知らぬ女の子が待っていたのでした。 彼女の名前はライム。祖父が作っていたタイムマシンの暴走により、異世界から迷い込んできてしまったのです。 ・・・・と、ここまで、なんとなく、少女漫画にありがちなドリーミーな展開。 わかつきさんの描く絵柄のやわらかさもプラスして、私はまったく油断してこの本を読み進めてしまったんです。 なんやかんやあって、死んだはずのじいさんは幽霊となって家にいつき、じいさんの弟子の海棠さんがタイムマシンの修理のために居候しはじめたり、同級生の桃太郎が居候してきたり、タイムマシンの謎を探っていたスパイ軍団と仲良くなってしまったり、騒がしくてのんびりとした日常が流れていきます。 しかし、目的はただひとつ。 ライムを元の世界に戻してあげよう・・・ということでした。 あーだこーだしてるうちに3年の月日が流れ、彼らはすでに家族同然。そしてタイムマシン・・・というかライムを元の世界に戻す装置が、完成しました。 いよいよ戻る日。 ここにいるメンバーは「ライムを元の場所に戻すため」にいるのだから、ライムが戻ってしまったら解散する他ありません。阿梨のひとりぼっちに戻ってしまう寂しさが、この辺りからひしひしと伝わってきます。 ・・・・・・・・・そしてライムやみんなが去って4年後の阿梨の姿がラストに描かれています。最後のページの阿梨のセリフ・・・。 もう、油断しきっていたところに「せつなさ」がこれでもかっ!と流れ込んできて、私は悶絶。 恋とか愛とかじゃなくて、「大人になるために、どうしてもしなきゃならない別れ」というせつなさが、なんともたまらないのです。 「So What?」・・・「それがどうした?」という意味らしいのですが、何でわかつきさんはこの題名をつけたんだろう・・・? あと、副題がまたいいんですよ。 すべて漢字を使っていて、「偽赤翡翠(にせあかしょうびん)」とか「晦片(つごもりがた)」とか「天宮図(てんきゅうず)」とか。。。 何か大切なものを失ったことのある人なら、このせつなさに共感せずにはいられない・・・かも。 「さようなら」をたくさんしたから、大人の背中はちょっと寂しげなのかもしれません。 So What? [文庫版:コミックセット]
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