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東京って何があるんですかね〜。 何でみんな東京に行きたいんだろう?東京から離れられないのは何でなんでしょうか? ちなみに、ワタシは東京で暮らしたことがありません。 チャンスはあったんですが、ことごとく、「東京じゃない方」を選んできました。 でも、今考えると、もっと若いうちに出ておけばよかったです。「東京」。 もちろん、帰ってくるのが前提ですけど。 「ボロボロになったひとへ」は「東京タワー〜ボクとオカンと時々オトン〜」で一躍時の人となったリリーさんの処女小説集です。白地に青緑の箔押し印刷という、お金のかかった装丁。どうやら、この装丁にもリリーさんは並々ならぬ思い入れがあったようですが・・・。 6篇の短編+中篇小説から成る本ですが、その中でやはり気になるのが、リリーさんの「東京」への想いでしょうか。 「東京タワー」でも描かれていた、田舎から出てきた者の「東京」に対する、憧れと、執着と、嫌悪。東京ってとにかく人が多いですもんね〜。 例えば、東京と地方にそれぞれ同年代の同じ能力の人がいたとして、それぞれの土地で同じような仕事をしていたとしたら、給料が高いのはやはり、東京の人なんでしょうね。それでも、「俺の代わりなんかいくらでもいるんだよ」と自分を卑下してしまうのは東京の方だったりして。 ワタシの中の「東京」はそんなイメージです。 人が多すぎて、自分の価値を見失う。言葉で言うのは簡単ですが、もっと具体的な苦しい現実がたくさんありそう。東京には。 ここまで言うからにはお分かりだと思いますが、私はあんまり東京が好きでなかった。今もあんまり好きではないです。でも、何年か前に、ニューヨークに旅行に行ったあと、そんなに嫌いじゃなくなりました。それはいろんな理由からなんですが、それはまた別の機会にするとして。 「ボロボロになったひとへ」では、やはり東京に対して「無意味なんじゃん?」という嫌悪感が伝わってきます。でもやっぱりリリーさんは今でも東京で暮らしているわけで、そういう自分にも苛立っている?いえ、これは浅はかな想像ですけど。 東京が嫌いだけど、東京に住んでる人たち。なんだ、結局東京がすきなんじゃん。いや、仕事があるからね、恋人がいるからね、仕方なく住んでるんだよ。そんなの言い訳だよ。心のどこかで、「東京で成功している自分」のプライドを満たしてるんだよ。でも、本当はそんないかっこよくない。だから、田舎にいる家族や、田舎くさい友達には、「東京っぽい」自分を演出してしまう。そして煙たがられる。「これだから田舎モンは・・・」と悪態をつく。自分だって、田舎モンだったくせにね。 なんかそんな負の連鎖と、本当は満たされていない心の隙間をいろんな形で書いた小説だと思います。しかも、りりーさんならではの、あの軽快で絶妙な文体でコーティングされているからたまらない。そして題名が「ボロボロになった人へ」。安っぽいプライドを守って、いろんな過ちを犯してしまったひとに、とても優しい作品になっています。 みんなスマシた顔して、常識人ぶってるけど、実際はそんなに格好いい奴なんかいないんだ、というメッセージが伝わってくるのです。 東京って何があるのかな〜? 田舎モンにはわからないけど、リリーさんにこういう作品を書かせてくれたのは東京なんですもんね。感謝感謝。・・・てことはワタシも結局東京が好きなのかもしれません。 ボロボロになった人へ
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